解説◎「三国志」って何がおもしろいの?素朴な疑問にビジネス視点を交えて、分かりやすく簡単に解説!
なぜ「三国志」は人気なのか?映画やゲームでお馴染みの「三国志」の魅力を、ビジネスや事例を交えて紐解いていきます。
*TVでも放映された大泉さんの映画『新解釈・三國志』!いかがでしたか?
もっと知りたい方、ぜひ読んでみて下さい↓
「三国志」の時代って、いつ頃だと思いますか?
漫画「キングダム」の始皇帝(嬴政)の時代から、更に約400年後の話なんです。
そのころ日本は、邪馬台国の卑弥呼がいた弥生時代ですね。中国の歴史って、奥が深いですよね。。
*「三国志」には大きく2種類あり、歴史書としてまとめられた「正史」と後に文学作品としてまとめられた「三国志演技」があります。一般的に「三国志」と言われ人気が高い「三国志演技」をベースに話していきます。
周りの友達が
「三国志って面白いよ!」
とか、会社の上司が
「三国志はビジネス戦略に使える」
と言われても、なかなか手が出ませんよね・・
いきなり活字で小説読むのもイメージ沸かないし、横山光輝先生のマンガも全60巻あるし、DVD版「三国志 Three Kingdoms」は全95話もあります。
ですので、私が面白いと思う点を簡単にまとめてみました。もし興味があれば、書籍やDVDで気になるポイントを掘り下げて、ビジネスシーンでも戦略を役立ててみて下さい。
◆おもしろポイント
①三国【魏・呉・蜀】の駆け引きとドラマ
②魅力的な武将たちとエピソードがたくさん
③ビジネスや私生活でも使える教訓・名言(ことわざ等)
④映画・漫画・ゲーム等、いろんな三国志に出会える
それぞれ簡単に解説していきます。三国志は長編大作のため、一部エピソードのみ(おもしろい部分)の紹介になりますが、ご容赦下さいm(__)m
①三国【魏・呉・蜀】の駆け引きとドラマ
まず、三国とそれぞれの君主について、簡単に解説していきます。
【魏】・・・曹操(そうそう)
⇒元々は地方の警察部長の役職でしたが、実力と才能で魏の大国を立ち上げた人です。
多才な戦略とリーダーシップを持つ人物で、以下のような名言が残ってます。
「我、人に背けども、人、我に背かせじ(私が人を裏切ったとしても、人には私を裏切らせない)」
なかなかの自信家ですよね(>_<) ビジネス視点で考えても才能がある自信家!戦国武将で言うと、織田信長のようなイメージでしょうか。
曹操のおもしろいところは、文献によって見方が全く異なる点です。横山光輝先生のマンガ「三国志」では、冷酷でスマートな戦略家として描かれ、マンガ「蒼天航路」では、多彩でユニークなキャラクターとして魅力的に描かれています。
一方、映画「レッドクリフ」等では、劉備の敵役として登場してますね。ここまで作品で描写が別れる人物は、少ないと思います。
【呉】・・・孫権(そんけん)
⇒若い時期に父親(孫堅)と兄(孫策)を亡くし、家を継いだのは18~19歳という若さでした。中国の長江が流れる豊かな地域(江東)を治めた名君として知られてます。
ビジネス視点で言うと、外交と人材採用に長けた人だったようです。
早い時期に父を戦闘で亡くし、そのあと家を継いだ兄も刺客に襲われた傷が原因で26歳で死んでいます。
急に家督を継ぐことになった若い孫権ですが、周りの武将たちに支えられながら国を盛り立てていった姿が想像できますよね。
【蜀】・・・劉備(りゅうび)
⇒「三国志演技」では、主役として描かれています。
物語のスタートで、関羽・張飛と3人で「義兄弟の盃」を交わします。桃園(桃の木がある庭)で兄弟になることを誓った出来事で、「桃園の誓い」と言われてます。少し長いですが、名言を紹介します。
<誓いの言葉>
「我ら三人、姓は違えども兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、困っている者たちを救おう。上は国家に報い、下は民を安んずることを誓う。同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、願わくば同年、同月、同日に死せん事を」
生まれた日は違っても、死ぬ日は同じという気持ちで国と人民のために頑張ろう!という決意表明です。意識高いですよね~
ビジネス的に例えると、カリスマ社長でしょうか。魅力的で人徳がある人だったようです。他にも、部下である五虎大将軍(ごこだいしょうぐん)との出会いなど、おもしろいエピソードが満載です。
以上の通り、三国にはそれぞれの物語があり、また絶妙な勢力のバランスを保ち成り立っていたのが三国時代です。
ある時は呉と蜀が同盟を結び、ある時は戦争し、またある時は魏と呉が戦略的同盟を結んで蜀と戦う時期もあります。この三国も、初期は多くの小国が淘汰され、3つの国にまとめられていきました。
ビジネス視点で言うと、携帯3大キャリア(docomo・au・softbank)に近いイメージかもしれません。知れば知るほど、おもしろさが増していく・・三国志の醍醐味です。
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②魅力的な武将たちとエピソードがたくさん
三国志には、多くの魅力的な武将が登場します。周りの友人に誰が”推しキャラ”か聞いてみて下さい。バラバラだと思います。
全てを紹介できないので、いくつか武将とエピソードを絞って書いていきます。
【最強の戦闘力・呂布】
まだ三国にまとまっていない後漢の時代に、「呂布(りょふ)」という武将がいます。
最強の戦闘力に加え、赤兎馬(せきとば)という最速の馬に乗り、最強の武器である方天画戟(ほうてんがげき)の使い手です。キングダムで例えると、龐煖(ほうけん)のような男です。
上に紹介した劉備・関羽・張飛の3兄弟が、虎牢関の戦いで3人同時に襲い掛かっても倒せない程でした。
その呂布も、悲しい最期を辿ります。部下の裏切りにより曹操の手で死刑されるのですが、その背景で絶世の美女と言われた恋人・貂蝉(ちょうせん)との恋愛ドラマが繰り広げられます。
当時政権を握っていた暴君・董卓(とうたく)という男がいました。
独裁政治を憂いていた王允(おういん)と言う人物が、この貂蝉(ちょうせん)を使って董卓と呂布を戦略的に仲違いさせます。結果的に呂布は董卓を裏切り殺害し、その後罪の意識に悩んだ貂蝉(ちょうせん)は自殺してしまうという悲劇が起こります。
作品により貂蝉の描かれ方は異なりますが、悲劇的なストーリーは涙を誘うシーンとなっています。
三国志において、この董卓殺害への作戦を「連環の計(れんかんのけい)」と言いますが、現代ビジネスにおいても強者への戦略的対抗策のヒントが隠されてるかもしれませんね。ハニートラップ的な行動は、少々卑怯な気もしますが・・
このように、呂布は愛に一途な最強の武人だからこそ、今でも多くのFANを魅了しています。三国志のおもしろさは、脇役が主役を上回る魅力的なエピソードを備えている点だと思われます。
ビジネスシーンにおいても、普段厳しい鬼上司が、家族の写真をデスクに置いてると安心するのは僕だけでしょうか。。
【逆転の一大決戦!赤壁の戦い】
三国志で最も有名と言っていい戦いが、「赤壁の戦い」です。映画「レッドクリフ」の舞台となった戦いですね。
ご存じの通り、約100万と言われた曹操の大軍を、10万足らずの呉・蜀の連合軍が撃退した戦いです。(人数については、諸説あり)
ここで活躍するのが、稀代の天才軍師・諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)と三国志一の美男子と言われた周瑜(しゅうゆ)です。二人の軍師の知力と戦略により、船上の曹操軍を火計(火を使った策略)で撃退したドラマチックなストーリーです。
船上で曹操が負かされた後も、孔明の策により逃げる曹操軍は死を覚悟するまで追い詰められます。孔明の戦略と先を読む力は、現在のビジネスの場で最も求められるスキルではないでしょうか。三国志の中でも、最もおもしろいエピソードと言えます。
当時の時代において、風水や天文学にも通じていたようで、その能力が先を読む力と戦の勝利に十分に生かされています。
この劉備による呉(孫権)と同盟することで魏(曹操)に対抗する作戦は、孔明が唱えた名言である「天下三分の計(てんかさんぶんのけい)」に基づくものです。
現代ビジネスの場においても、市場シェアを占有する強者への対抗手段として、戦略面でヒントとなる部分があるのでは無いでしょうか。
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三国志の後半に、司馬懿仲達(しばいちゅうたつ)という男が登場します。
曹操の国・魏において、曹操の死後も、曹操→曹丕(そうひ)→曹叡(そうえい)と2代目3代目にも使えた人物で、孔明とはライバルとして何度も戦いました。
孔明に負かされた失敗談が有名ですが、名言を交え2つ紹介しましょう。
◇「空城の計」
魏と蜀の戦いにおいて、孔明が不利となり城に籠った時の話です。司馬懿が追いかけ城に到着すると、城門は空けられたまま兵隊の姿が一人も見えませんでした。
「これは孔明の罠だ(>_<) 無防備に見せて、中には罠が用意されているに違いない!!」
と、彼は退却してしまいます。実は、これは孔明の戦略で罠は準備しておらず、裏をついて司馬懿を退却させたというオチです。
この戦略は、あの徳川家康が武田信玄に大敗した「三方ヶ原の戦い」でも実践してますね。孔明の知恵は、遠い日本の戦国時代でも生きていたようです。
◇「死せる孔明生ける仲達を走らす」
孔明は五丈原の戦いの最中、過労と衰弱により病没してしまいます。孔明の死を悟った司馬懿は、攻撃のチャンスだ!と蜀軍に攻め込みます。
しかし、生前に孔明が作らせた彼の木像を見て
「孔明は生きてるのか・・!?」
と撤退してしまうのです。孔明は死んだ後も戦略を巡らし、魏軍を苦しめた訳ですね。
このように、おもしろおかしく描かれている司馬懿ですが、実は晩年に大活躍します。三国志の後の話ですが、彼の孫・司馬炎によって中国の王朝「晋(しん)」が建国されます。長く続いた三国時代の勝者は、司馬懿の子孫だった訳です。
ビジネスシーンで例えると、辛い仕置に耐えて耐えて・・最後に”半沢直樹”顔負けの「倍返し!!」
そこが、三国志のおもしろいところですよね!(>_<)
「倍返しだ!」も、令和の時代に残る平成の名言の一つです。
③ビジネスや私生活でも使える教訓・名言(ことわざ)
上に紹介した2つの他にも、教訓となることわざ・エピソードがいくつかあります。追加で2点紹介します。
◇「三顧の礼(さんこのれい)」
有名な天才軍師・孔明が、蜀の劉備に仕えるきっかけになったエピソードです。
劉備は、「これから戦国の世をどう生きていけばいいのか?」「優秀な部下は集まってきたのに、領土や城が持てない・・」と悩んでいました。
そこで、当時「伏龍(池の中にひそみ昇天の時機を待っている竜)」と噂されていた孔明に会いに行きます。ところが、孔明は留守で会うことが出来ませんでした。
2回目の訪問も不在で、3回目でやっと会うことができ、蜀の軍師として仕えることになります。
ここから、目上の人が格下の者の許に三度も出向いてお願いをするという故事が生まれました。これにより、劉備は蜀の国を手に入れ、赤壁の戦いでも大勝利するのです。
当時はインターネットも電話もありませんから、アポ無し訪問だった訳ですね。また、現在ビジネスでの採用面接は、2~3回企業を訪問することが多いですが、三顧の礼では社長が3回家に会いに来たイメージですね(>_<)
◇「泣いて馬謖を斬る(ないてばしょくをきる)」
彼は孔明が弟子として可愛がっていた人物で、かなり優秀で智謀と戦略に長けた人だったようです。ある日、魏を攻める際に一軍を任されましたが、自分の知略を過信して孔明の命令に背き、大敗を喫してしまいました。(街亭の戦い)
この責任をとり、馬謖は処刑されることになります。最愛の弟子である馬謖の処刑に踏み切るにあたり、孔明は泣きながら軍律遵守を優先したというエピソードです。
国を支える立場である孔明は、私的な感情よりも軍隊の規律を守ることを優先したんですね。。現代ビジネスの場でも「コンプライアンス(法令遵守)」が叫ばれていますが、当時1,800年前の中国で孔明はコンプライアンスの重要性を説いていたのです。おもしろい、というよりも尊敬してしまいますね。
ここまでで”三国志をもっと知りたい”と思った方、マンガで読んでみるとよりイメージ沸きやすいかと思います。
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④映画・漫画・ゲーム等、いろんな三国志に出会える
現在社会において、色んな「三国志」と出会うことが出来ます。
各作品ごとに表現の仕方が違うので、その違いを楽しんでみるのも一つの醍醐味であり、おもしろいポイントだと思います。
映画は、ジョン・ウー監督による赤壁の戦いを舞台にした「レッドクリフ」や、総製作費25億円をかけた大作「三国志 Three Kingdoms」がDVDで発売されています。
注目なのが、勇者ヨシヒコシリーズで有名な福田監督の映画『新解釈・三國志』が2020年12月に公開されました!
キャスティングも絶妙なので、乞うご期待です。▼「U-NEXT」でも配信中です。
劉備・・・大泉 洋(緩さが最高!)
呂布・・・城田 優(イケメン)
孫権・・・岡田 健史
周瑜・・・賀来 賢人
漫画においても、横山光輝先生の「三国志」では、三国志演義のストーリーが詳細に表現されています。ビジネスシーンに例えた日経電子版の大喜利CMや、おもしろポスター名言でお馴染みの絵ですね!
また、講談社より発売の「蒼天航路」は、曹操を主人公に臨場感溢れる豪快なストーリーが展開されています。
ゲームに関しては、コーエーテクモゲームスから発売の「真・三國無双シリーズ」は、自分が戦場でホントに戦っているような感覚でイケメン武将を操作することが出来ます。おもしろさに加え、ストレス解消にもお薦めです!
数多くの名言により書籍化されている三国志ですが、こちらの電子書籍でも横山マンガは購入可能です。興味ある方はぜひ!
どうでしょう。少しは「三国志」に興味が湧いてきましたか?
他にも、「キングダム」「織田信長」の記事も宜しくお願いします。
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